年神様の「年」は稲、その実りを表しており、ご先祖様の霊が春に「田の神」として降りてきて、田に豊かな実りをもたらしてくださり、秋には山へ帰り「山の神」になると考えられていました。
そしてお正月には、昨年の幸せと豊穣に感謝し、新たな年の実りと平安をお祈りし、年神様をお迎えしてきたのです。
また、数え年として一月一日に誰もが年神様に一年間の新しい魂をいただき歳をとると考えられてきました。
このようなことから、五穀豊穣、幸福に過ごせる事、歳を重ねられたことを祝福して、感謝の意味も込め、お正月には「おめでとうございます」と挨拶をしたのです。
お正月の門松、しめ飾り、破魔矢、お年玉、お屠蘇、おせち料理に初詣でと、日本のお正月は神様への感謝の気持ちを大切にしてきたことがよくわかります。
お正月行事はこれからも大切にし残してゆきたい「しきたり」です。
新しい年の幸せを授ける神様を迎える
私たち日本人にとってお正月は心のよりどころでもあり、特別な日でもあります。そして、一年を通して幸せに過ごすため、お正月の過ごし方をとても大切にしてきました。
それは、もともと農耕民族である日本人は古来より、お正月に新年の神様「年神様(としがみさま)」が降りてきて、家庭に幸福をもたらし、食べることに困らない作物の豊穣をもたらしてくださると考えてきたからです。
その年神様は各家庭のご先祖様であり、その年の豊作をもたらす、農耕の神様でもあります。
京の雑学ー豆知識と暮らしの知恵としきたり
京の雑学では、一年の中にちりばめられた、私たちが幸せに暮らすための知恵「吉例」や、暮らしのバイブルである「二十四節気」など、日々を楽しく豊かにしてくれる雑学、豆知識を紹介しています。「吉例」は縁起の良いしきたりのこと。自然の恵みである太陽、月や神様、仏様、御先祖様に感謝を伝える為に古くから受け継がれてきたことです。しきたりの心を知り行えば日々楽しく、豊かに暮らせるのではないでしょうか。
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