海から遠く離れた京都で育まれてきた京野菜
海から遠く離れた京都は、山に囲まれた盆地で、当然のことながら魚介類など海産物の入手が難しく菜食が中心でした。また、京都は千年を超える昔から都として繁栄し、献上品としての野菜が日本各地から集められました。また、古くは中国などから持ち込まれたものもあります。これらの野菜が京都の気候風土、豊かな水と土によって長い年月を経て育まれ、さらに農家による生産技術の改良で生み出されたものが京野菜なのです。
四季の行事・節句と深く関わり合う京野菜
京野菜は、お正月の「おせち料理」に始まり、人日の節句の「七草粥」や、無病息災などさまざまな願いを込めて行われる神社仏閣の行事と深く関わり合い人々の生活のなかで親しまれています。京野菜は特別でありながら生活に密着したよく口にする、なじみのある野菜でもあるのです。
「京の伝統野菜」の定義
「京の伝統野菜」として、1987年(昭和63年)に京都府でその定義が定められました。
現在36品目が現存、2品種が絶滅し、「京の伝統野菜」に準じるものとして3種類、合計で41種類あります。
「京の伝統野菜」の定義
① 京都府内全域での生産が対象
② 明治以前から導入された歴史あるもの
③ たけのこを含むがキノコ、シダ類を除く
④ 栽培または種が保存されている品目、及び絶滅した品目を含む
必ずしも京都固有の品種だけではなく、定義を満たせば伝統野菜として位置づけられています。
品種 41種類
大根
• 辛味大根 • 青味大根 • 時無大根 • 桃山大根
• 茎大根 • 佐波賀大根 • 聖護院大根
蕪
• 松ケ崎浮菜蕪 • 佐波賀蕪 • 舞鶴蕪 • 聖護院かぶ • 大内蕪
漬菜
• 鶯菜 • 酸茎菜 • 水菜 • 壬生菜 • 畑菜
茄子
• もぎなす • 賀茂なす • 山科なす
唐辛子
• 伏見唐辛子 • 田中唐辛子 • 山科唐辛子
南瓜
• 鹿ケ谷かぼちゃ
根菜
• 海老芋 • 堀川ごぼう • 慈姑(クワイ)
その他
• 桂瓜 • 柊野ささげ • 京独活 • 京茗荷
• 九条ねぎ • 京せり
• 京たけのこ(タケノコは一般種だが特別選定)
• 蓴菜(ジュンサイ) • 聖護院きゅうり
絶滅した京の伝統野菜
大根
• 郡大根
蕪
• 東寺蕪
京の伝統野菜に準じる野菜
唐辛子• 万願寺とうがらし • 鷹峯とうがらし
その他
• 花菜
京の雑学ー豆知識と暮らしの知恵としきたり
京の雑学では、一年の中にちりばめられた、私たちが幸せに暮らすための知恵「吉例」や、暮らしのバイブルである「二十四節気」など、日々を楽しく豊かにしてくれる雑学、豆知識を紹介しています。「吉例」は縁起の良いしきたりのこと。自然の恵みである太陽、月や神様、仏様、御先祖様に感謝を伝える為に古くから受け継がれてきたことです。しきたりの心を知り行えば日々楽しく、豊かに暮らせるのではないでしょうか。
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